英語の超初心者や初心者の方、特に社会人の方に多い悩みが、「英会話を一から勉強したいけど、始め方もやり方もわからない」「何から勉強すれば?」というもの。
世の中には多くの学習方法があって、どの勉強法が自分に合うやり方なのか悩むのも当然です。
そこでこの記事では、英会話の初心者(特に超初心者)の方におすすめの効果的な独学勉強法をまとめました。
英語が上達する勉強法をお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください。
中学卒業レベルの英文法を身につける
英会話を上達させるには、話すための英文法を身につけましょう。
日本の学生が英語でつまずく原因の1つが文法であると、以下の論文でも報告されています。
The results show that poor knowledge in grammar and writing was found to be one of the significant reasons for unsuccessful learners.
ただし、中学校卒業レベルの文法で十分です。受験英語ではないので、難解な英文法は必要ありません。実際にネイティブは、日常会話では、ほぼ中学レベルの英語で会話をしていますよ。
超初心者は5文型は必ずマスターする
文法の中でも、5文型のマスターは必須です。
文型は英語の語順を決めるものです。
主語(S) | 動詞(V) | 目的語(O) | 目的語(O) | 補語(C) | |
---|---|---|---|---|---|
第1文型 S+V | The earth | rotates | |||
第2文型 S+V+C | He | is | my father | ||
第3文型 S+V+O | I | wrote | a love letter | ||
第4文型 S+V+O+O | My mother | made | me | a cake | |
第5文型 S+V+O+C | Tom | calls | me | Jeff |
文型を知らないと、言葉の並べ方が分からず、いつまでも喋れません。文型をマスターすることで、英語の語順が分かり、英文を構築しやすくなります。
特に、文型の中でも第3文型は重要です。ネイティブはこの第3文型で話すことが非常に多いからです。
文型に慣れておくことで、
- カタコト英語を卒業できる
- リスニング力がアップする
次にどんな単語やフレーズが来るのか、予測してスピーキング・リスニングできるからですね。日本人英語で話したり、聞き取れた単語を頼りに、相手の話を推測するようなことがなくなります。
文法書は一から学習しない
文法書を初めからやると、初心者の方は必ず挫折します。
なので、英文法は一から学習するようなことはしないでください。分からない点があれば、その都度文法書で調べるようにしましょう。
発音の上達には英文音読
発音練習は、単語単位ではなく、英文(中学レベルの教材)の音読トレーニングをしましょう。
これは、ネイティブのリアルな発音を身につけるためです。単語やフレーズは、文中で隣り合う単語と影響しあって、全く違った音声に変化してしまいます。
音声変化には、連結、同化、脱落などがあります。以下を参照。
そのため、単語単位で発音を学習しても、あまり実用的ではありません。
英文音読のやり方
音声CDを聞き、ネイティブの発音を徹底的に真似るつもりで英文を音読してください。
息継ぎのポイントやアクセントなど、なるべく忠実に再現して音読すると効果的です。
発音方式は、普段耳にする米国式で学習しましょう。
その方が無駄がなく合理的です。
英文音読で得られる効果
音声CDを手本に、英文の音読を行うと、次のような効果が期待できます。
- 英文中で音声変化した生のネイティブ発音を習得できる
- 英語のイントネーション、リズム、アクセントなども身につく
- 日本人離れした英語が話せるようになる
- ネイティブの英語が聞き取りやすくなる
音読による発音練習を行うと、ネイティブのリアルな音声が体に叩き込まれます。
こうなればしめたもの。多くの日本人が抱える「英語が伝わらない」という悩みも解決できます。もちろん、ネイティブの会話も断然聞き取りやすくなりますね。
英文音読の効果や具体的なやり方については、以下の記事をご覧ください。
リスニング上達の秘訣は音声変化と英語回路
英会話をマスターしたければ、インプットであるリスニング学習に集中しましょう。
理由は簡単。相手の話が聞き取れなければ、会話が続かないからです。
以下に私が実践したリスニング学習の概要を紹介します。
音声変化を習得する
英語独特の音声変化をマスターしましょう。
英語は単語どうしが影響しあって、単語の本来の発音が変化してしまいます。この音声変化が原因で、何の単語が発音されたか分からず、単なる雑音と認識してしまいます。
上の英文の場合、ネイティブは、「キャナイ ヘゥピュ」と発音します。
「Can I(キャン アイ)」が「キャナイ」に、「help you(ヘルプ ユー)」が「ヘゥピュ」に発音が変化しています。この現象を音声変化と呼びます。
変化した「キャナイ」と「ヘゥピュ」が雑音に感じてしまいます。
これが英語の聞き取れない大きな理由です。
ただし、音声変化にはいくつかパターンがあります。例えば、「連結」、「同化」、「脱落」などです。
上の例は「連結(リエゾン)」に分類されます。
こうしたパターンを音声データベースとして脳内に蓄積してください。リスニング力が飛躍的にアップします。
音声データベースを構築する上で、初心者には音読が最適です。音声CDを真似て何度も音読すると、音声パターンを効率よく習得できますよ。
英語回路を構築する
英語を英語のままダイレクトに把握できる英語回路を脳内に構築しましょう。
日本人は、学校英語で学ぶ訳し上げ(返り読み)で英文を訳す悪い癖があります。
例:I bought a book that has been popular among young adults.
訳:若者の間で人気の本を買った。
英文を後ろから前に訳しているのがわかると思います。
訳し上げの方法では、英文を最後まで聞かないと意味がわかりませんよね。これが、ネイティブの英語に付いていけない理由の一つです。
そこで、英文を聞こえた順に、前から逐一意味を取っていく必要があります。このトレーニングには、スラッシュリーディングが最適です。
スラッシュリーディングとは、英語を意味のかたまりごとにスラッシュ(/)を入れて訳していく方法です。
上の例で言えば、
きれいな日本語にはなっていませんが、十分意味はわかりますよね。
スラッシュリーディングの練習をすると、
- リーディング速度のアップ
- ネイティブの高速英語が聞き取れる
の効果が望めます。練習の際は、黙読ではなく音読するとさらに効果的です。
リスニングの具体的な勉強法
リスニングに効果のある練習方法はいくつかありますが、代表的なものを紹介します。ここでは、概要にとどめ、詳しくは別記事にまとめる予定です。
トレーニング | 方法 | 主な効果 | 難易度 |
---|---|---|---|
音読 | 英文を口に出して読む | 単語と音声の結びつきを強化 | 初級 |
スラッシュリーディング | 英文を意味ごとに訳す | 英語回路の構築とリスニング強化 | 初級 |
ディクテーション | 聞こえた英文を書き取る | 苦手な英語音声の洗い出し | 初級 |
オーバーラッピング | 英文を見ながら英文音声に合わせて声に出す | 会話速度の慣れとリズム・イントネーション等の習得 | 中級 |
リピーティング | 英文音声を意味の区切りごとに聞き、すぐに聞こえた通りに再現する | スピーキング強化とリスニング力のブラッシュアップ | 上級 |
シャドーイング | 聞こえた英文音声を少し遅れて即座に復唱する | スピーキング強化とリスニング力のブラッシュアップ | 上級 |
超初心者や初心者の方は、音読から始めていただくと良いと思います。
私も音読6割、オーバーラッピング2割、シャドーイング2割で練習しましたね。
基礎力のある方は、ぜひシャドーイングに挑戦してみてください。なかなかハードルは高いですが、効果は抜群です。
以下の記事で、シャドーイングについて詳しくまとめたので、ご参考ください。
まずは、音読で英語を口に出す練習をしてみてください。初心者の方なら、音読だけでも英語がぐんと上達しますよ。
スピーキングの上達は音読とネイティブフレーズが鍵
スピーキングの練習は、とにかく英語を「実際に口に出す」ことが重要です。
日本人が英語をしゃべれないのは、読み書きばかりで、音声学習が不足しているため。そこで、スピーキング力のアップに有効なトレーニング法を以下に紹介します。
音読練習から始める
初心者の方は、音読をベースにスピーキングの練習を行いましょう。
音読の効果として、
- 文字と音声の結びつきを強化
- 英語を処理する脳領域を構築
- 英語用の口(筋肉)を養成
このように、音読はリスニングだけでなく、スピーキングにも絶大の効果があります。ぜひ、トレーニングに取り入れましょう。
ネイティブが使用するフレーズを覚える
ネイティブが日常よく使用するフレーズを多くマスターしてください。
「ネイティブが使用する」がポイントです。この理由は、
- ネイティブに笑われない自然な英語が身につく
- 自信を持ってネイティブと会話ができる
- 世界で通じる英語を無駄なく効率的に習得できる
ここでひとつ注意点を。それは、フレーズのニュアンスと使い分けも一緒に覚えること。
同じ意味のフレーズでも、微妙にニュアンスが異なります。TPOに応じた使い分けができないと、相手に失礼な表現をしてしまう場合があります。ニュアンスと使い分けには十分注意してください。
会話形式のスキットで練習
スピーキングのトレーニングは会話形式(ロールプレイ方式)で行うと上達が早いです。
会話は相手があってはじめて成立するもの。突然相手に質問されて、テンパっていてはスムーズな会話は不可能です。
脈略のない羅列された英文やフレーズを練習しても、瞬発力は身につきません。必ず、会話形式でトレーニングしましょう。
瞬間英作文の練習をする
瞬発力と英語回路の養成に、瞬間英作文は非常に有効です。
瞬間英作文とは、聞いた日本文を中学レベルの英語で即座に英訳することですね。
瞬間英作文の練習を積むと、
- 英語の5文型が身につく
- 英語回路を効率的に構築できる
- 会話に重要な瞬発力が養われる
音読をベースに、瞬間英作文も実践していただくと、一層効果的です。
句動詞(郡動詞)をたくさん覚える
単語を覚える際は、ぜひ句動詞(郡動詞)をたくさん覚えるようにしてください。
句動詞とは、簡単な動詞 + 前置詞(副詞)で1つの動詞と同じ働きをもつもの。
例えば、look for、listen to、get upなどです。
前置詞はat、in、副詞はup、downなど。
簡単に言えば熟語ですね。
ネイティブは、この句動詞を日常会話で頻繁に使用します。句動詞を多く覚えておくと、スピーキングだけでなく、リスニングの助けにもなりますよ。
中学卒業レベルの英単語を身につける
語彙増強のため、中学卒業レベルの英単語を覚えましょう。
高校で学習するような難解な単語は必要ありません。日常会話であれば、中学卒業レベルの単語・フレーズで十分対応できます。
事実、ネイティブが日常会話で使用する単語数は1000語程と言われています。英語が苦手の方は、まずは1000語を目指してください。
追加で、単語を覚える際は、
- 各単語の品詞を覚える
- 動詞は意味と使い方(用法)を覚える
に注意してみてください。
品詞とは、名詞、動詞、形容詞、副詞など、言葉を機能別に分けた種類のことです。
各単語の品詞が分からないと、5文型にしたがって英文を組み立てられません。また、英文の語順は、8割方が動詞で決まると言っても過言ではありません。
なので、「品詞」と「動詞」に注意すると、英訳がしやすくなります。ひいては、スピーキング・リスニングにも大いに役立ちます。
英会話の初心者(超初心者)が「してはいけない」4つの勉強法
大人や社会人の方で、英語に自身がない初心者方は、次のような勉強方法は避けてください。
初心者の方には学習内容としてレベルが高すぎます。
- 洋画の字幕学習
- オンライン動画
- 英会話スクール
- 海外留学
英語の基礎力がない状態で、上のような学習をしても、ほとんど上達しませんし、時間の無駄です。
オンライ動画や字幕学習は上級者向け
オンライン動画(YouTubeやTEDなど)や洋画は、初心者の方には不向きです。
会話は砕け、俗語やスラングも多く、会話速度も激速なので、挫折の原因になりかねません。
英会話スクールや留学はコスパが悪すぎる
スクールや留学は、時間ばかりか、ウン十万という大金を無駄にする可能性もあり、学習の費用対効果は悪いです。
基礎力がないと、まともに会話もできず、ただ恥ずかしい思いをするだけ。また、スクールに通ったり、留学をしただけで、勉強をした気になってしまう点もマイナスです。
初心者はまずは独学で基礎を克服
なので、超初心者、初心者の方は、まずは独学で英語の基礎力をつけましょう。
スクールや洋画などは、基礎力がついた後、実践の場として活用するのが最適です。
英語学習に自分なりの目標を設定しよう
学習する際は、自分の中でゴールや具体的な目標を設定しましょう。
間違っても、なんとなくで学習するのはNGです。理由は、超・初心者の方の多くが、学習のモチベーションを維持できないためです。
英語に限らず、語学学習は、効果が出るまでに時間がかかります。早くて3ヶ月、通常は6ヶ月を要すると思ってください。効果を実感するまでにこれだけ時間がかかると、初心者はほぼ挫折します。
この挫折リスクを回避するためにも、目標は重要です。例えば、
- TOEICのスコアを100点アップさせる
- 次の英検受験で2級に合格する
など、何でもOKです。ただし、目標設定はなるべく「具体的に」。ざっくりした目標では、達成の成否が不明確になりがちです。
初心者、特に超初心者の方は目標を設定し、学習の継続に力点を置くようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、英語の超初心者におすすめの効率的な学習法をお伝えしました。
この記事で紹介した勉強方法は、当時、私が実践して効果があったものばかりです。
ぜひ、あなたの英語学習にも取り入れてみてくださいね。
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